第1回 ITSL INNOVATION FORUM2017/12/28更新
第1回 ITSL INNOVATION FORUM
~真の働き方改革とは何か、ITSLへの参加意義をあらためて考える~
スポーツを通じた働き方改革とは?
ITSL理事長を務める、株式会社エフ・エム代表取締役社長の中山誠氏
2017年11月27日、東京・虎ノ門ヒルズ森タワーの日本ビジネスシステムズ株式会社本社会議室を会場に「第1回 ITSLイノベーションフォーラム」が開催されました。本フォーラムは「~真の働き方改革とは何か、ITSLへの参加意義をあらためて考える~」と題した初めての試みであり、当日はIT SPORTS LEAGUE(以下ITSL)参加企業をはじめ、多数の皆さまにご参加いただきました。
フォーラムの開会にあたり、「1991年軟式野球からスタートしたITSLも、現在ではサッカー、テニス、バスケットボールと広がり、約40社が参加するまでに発展。今後はスポーツを活用し、いかに働き方改革へと結びつけていくかが問われている」と、ITSL理事長を務める株式会社エフ・エム代表取締役社長の中山誠氏から挨拶が述べられました。
その後、ITSL参加企業2社から、社内活性化や働き方改革のケーススタディが紹介されました。
ケーススタディ① 株式会社ユー・エス・イー 総務部 総務課長 藤山 竜太“一枚岩”を掲げリーグ優勝。団結力が会社の力に!
株式会社ユー・エス・イー 軟式野球部主将の藤山氏
最初にプレゼンテーションを行ったのは、株式会社ユー・エス・イーの藤山竜太氏です。2012年から野球部のキャプテンを務める同氏から「ユー・エス・イーの働き方改革 ~会社の部活動である野球部の取り組み改革とITスポーツリーグ参加社員による社内活性化に向けた取り組み~」についてお話いただきました。
独立系IT企業として成長を続けてきた同社ですが、会社と野球部の方針は同じであるとして、キーワードに「一枚岩」を掲げています。「個々の能力では及ばないとしても、従業員あるいは野球部員が一枚岩となることで、それ以上の力を発揮できる」と藤山氏は強調します。
IPI軟式野球リーグで下位に低迷していた野球部では、まずは練習量を増やして成績向上を目指しましたが失敗。そこで成績不振の本質的な原因は、チームの団結力不足にあるとし、さまざまな改革に取り組んでいきました。選手に意識改革を促しチームのベクトルを統一したほか、練習方法の工夫改善や平日の体調管理にも取り組みました。その結果、2012年と2014年には準優勝を果たします。
それでも優勝には届かなかったことから、若手が発言・行動しやすい雰囲気づくりを行い、若手とベテランの力を融合。まさに「一枚岩」になれたことで、2015年に念願の優勝を果たすことができたといいます。
さらに同社では部門横断的に「女性活躍推進WG」「健康促進WG」「5S推進委員会」のワーキンググループを設け、社内活性化に取り組んでいることが紹介されました。また、ITスポーツリーグで活躍する従業員が率先して、挨拶と社訓の浸透を図る「挨拶隊」を結成したほか、社内報による情報共有、誕生会や社内旅行などの行事、清掃活動やボランティア活動などにも積極的に取り組んでおり、スポーツで培った力がさまざまな場面で発揮されている事例が紹介されました。
ケーススタディ② 株式会社富士通エフサス 総務部 部長 檜森 聡全社をあげてスポーツに取り組む富士通グループ
続いて、「富士通グループと企業スポーツ」をテーマに、株式会社富士通エフサス総務部長の檜森聡氏が登壇。同氏はITSLに加盟する軟式野球チーム「FSAS FRONTLINERS」の副部長です。
富士通グループでは、オリンピック選手を輩出している陸上競技部と女子バスケットボール部「富士通レッドウェーブ」、そしてアメリカンフットボール部「富士通フロンティアーズ」の3つの部を全社的な強化運動部に指定。また、現在は別会社となっているものの、2017年J1リーグ初優勝を果たした「川崎フロンターレ」は富士通川崎工場の同好会を母体としてチームが発足したことが紹介されました。
そのほか富士通各事業所・グループ企業には数々の運動部や文化部が存在。「FSAS FRONTLINERS」もその一つであり、野球を通じた社員満足度向上や職場間連携の強化、同業他社との交流促進、会社知名度向上を目指して活動しているといいます。
また、檜森氏は「FSAS FRONTLINERS」で活動する選手の声を披露。「職場でのコミュニケーションが増えた」「応援してくれる人との一体感を感じる」、プライベートにおいても「家とは違う父親の姿を家族に見せられる」「オンとオフの切り替えができてリフレッシュできる」と、スポーツの効用を説きます。そして、ITSLへの参加意義として、同業他社との人脈や交流を活用し将来的には「“きょうそう(競争/共創)”環境の醸成の場として期待したい」と締めくくりました。
その後、「競技志向とエンジョイ志向、どうやってまとめたか?」「選手集めの工夫は?」など、活発な質疑応答が繰り広げられました。
株式会社富士通エフサス 軟式野球部副部長の檜森氏
スポーツ経験者の採用について質問をする、日本ビジネスシステムズ株式会社 代表取締役社長 牧田幸弘氏
ケーススタディ③ スポーツ人材採用の最新手法
株式会社DYM 新卒紹介事業部 課長 新宮領 宏太スポーツ活動を効果的な人材採用に結びつけるには?
株式会社DYMでサッカー部に所属する新宮領氏
最後に、同じくITSL参加企業である株式会社DYMで、新卒採用支援事業を手がける新宮領宏太氏が登場。ITSL参加のメリットとして、スポーツ活動が自社の新卒採用に好影響を及ぼし、採用ブランディングに成功したことが紹介されました。
現在、売り手市場となっている就活市場の説明に続き、効率的な人材採用の秘訣や同社の新卒紹介サービスの実績などが紹介されると、参加者も興味深そうに聞き入っていました。
予定されていた2時間もあっという間に過ぎ、本フォーラムは盛会のうちに終了しました。
総括
ITSLの活動は単なる部活動ではなく、会社組織を一枚岩にし、かつイノベーションを起こし得る活動であるということが、あらためて浮き彫りになりました。
今後、毎年、数社ずつ代表で自社の事例をプレゼンテーションしていただく形式でフォーラムを継続することにより、ITSLへの参加意義をともに確認しあい、参加意識を高めあう機会としていきたいと考えて居ります。
ITSL 事務局長
産商アドマーケテイング株式会社
代表取締役社長 安部 智子