第2回 ITSL INNOVATION FORUM2018/12/10更新
第2回 ITSL INNOVATION FORUM
~真の健康経営・働き方改革とは何か、ITSLへの参加意義をあらためて考える~
スポーツ活動を通して真の健康経営を目指そう!
ITSL理事長
日本ビジネスシステムズ
株式会社
代表取締役社長
牧田 幸弘 氏
2018年11月26日、第2回ITSLイノベーションフォーラムが東京・虎の門ヒルズ森タワーの日本ビジネスシステムズ株式会社・本社会議室にて開催されました。
第2回目となる本フォーラムでは「真の健康経営・働き方改革とは何か、ITSLへの参加意義をあらためて考える」と題し、IT SPORTS LEAGUE(以下、ITSL)参加企業をはじめとする多数の皆様にご参加いただきました。
開会に先立ち、IT SPORTS 連盟理事長で、日本ビジネスシステムズ株式会社代表取締役社長の牧田幸弘氏が「本フォーラムの目的は、スポーツ・クラブ活動が働き方改革にどのように貢献しているのか、実際に成果を上げている企業の事例を紹介することで、それぞれの企業の部活動のヒントにしていただくことにあります」とあいさつ。
引き続き、ITSL参加企業2社によるスポーツ活動と働き方改革に関するケーススタディの紹介、チャック・ウィルソン氏の講演、キリンビバリッジバリューベンダー株式会社によるオフィス直送のスムージー飲料KIRIN naturalsの紹介がありました。
ケーススタディ① 日本ビジネスシステムズ株式会社 齊藤 優大部活動を通したコミュニケーション効果とは?
日本ビジネスシステムズ
株式会社
サッカー部キャプテン
齊藤 優大 氏
サッカー部に所属している齊藤優大氏は「部活動は弊社にとって、横のつながりをつくるもの」と強調しました。部活動への積極的な参加により、ふだん知り合うことのない部署や年齢の垣根を超えたつながりができ、業務を行う上で協力を求めやすくなり、プロジェクトの推進にもプラスの影響が出ているといいます。
サッカー部がITサッカーリーグに参加したのは2013年のこと。初年度は惨敗したものの、2017年度には初優勝を飾り、2018年度にも準優勝をおさめています。短期間で成果を上げた要因について「当初は部員の意識がバラバラで統一が取れていませんでした。そこで、勝ちへのこだわりの強いグループ、サッカーが好きというグループ、ワイワイ楽しくやりたいグループ、イベント参加中心のグループの4グループに分け、目的別に部活動を行うことで、優勝を目指すメンバーの結束力が強まり、好成績に結びついた」と説明します。
さらに、野球部やテニス部、バスケットボール部など、他のスポーツ部との交流も深まり、お互いの試合を応援しに行くなど、社内のコミュニケーションが活性化されているとの報告がありました。
ケーススタディ② 株式会社フォーカスシステムズ 池上 雅一ホワイト500の取得を目指し、部活動支援制度をスタート!
株式会社
フォーカスシステムズ
人事部 課長
池上 雅一 氏
株式会社フォーカスシステムズは、サッカー、テニス、野球、バスケットボール、駅伝とすべてのITSLに参加し、サッカーリーグでは優勝2回、準優勝4回、3位2回、バスケットボールリーグでも準優勝を2回おさめるという好成績を残しています。
「弊社は2017年に制定された健康経営・優良法人認定制度でのホワイト500の取得を推進し、健康経営の目的として『社員の健康を重要な経営資源と捉え、心身の健康維持向上に向けた取り組みを積極的に実施していきます』と掲げています。これは経営理念とも連動しており、『社員すべてが心と力を合わせ、企業の発展と成長を通じて、未来のより良い環境作りに貢献する』としています。
健康経営を実践するため、2016年に部活動支援制度を設立。『部員構成が3部署以上で、部員が10名以上、年間6回の活動のうち3回は部員の半数以上が参加する』という条件の下、年間の活動費用を支援しています」と以前自らも野球部に在籍していた池上雅一氏。
こうした活動費支援のほか、健康管理セミナーを実施。肥満の予防・改善方法を学ぶ「生活習慣改善セミナー」、適切な睡眠についての指導を受ける「睡眠時無呼吸症候群セミナー」を行っています。
「残念ながら、本年度のホワイト500の取得はかないませんでしたが、引き続き、取得に向けて努力していきたい」と抱負を語り、ケーススタディ報告を終了しました。
質疑応答
「ITSLの認知度を高めるにはどうしたらいいのか?」「部活動の事務作業はどうしているのか?」「どうやったら部員をつなぎ止められるのか?」「どうしてホワイト500の取得ができなかったのか?」等の質問があり、活発な意見交換が行われました。
講演「健康改革のすすめ~間違いだらけのトレーニング」チャック・ウィルソン「量」より「質」を重視した運動で、怪我を予防しよう!
チャック・ウィルソン 氏
在日48年になる柔道家で、テレビのクイズ番組に出演して人気を博したチャック・ウィルソン氏に「健康改革のすすめ~間違いだらけのトレーニング」と題した講演を行っていただきました。
現在、チャック・ウィルソン・エンタープライズ代表として企業や病院、皇宮警察などで運動を指導したり、スポーツ選手に1対1の指導を行ったりしているウィルソン氏は「基本的に運動指導のほか、食事と睡眠、適正体重の維持、禁煙、適正量の飲酒などを指導しています。これらは当たり前のことですが、特にスポーツ選手は自分の健康を過信して不摂生な生活をしがちです」といいます。
例えば、ある知り合いの運動部キャプテンだった人は、体重が110キロぐらいあり、タバコを吸って、お酒を飲み、健康診断で中性脂肪が高いと注意を受けたものの、不摂生な生活を続け、数年後に心筋梗塞を起こして亡くなったそうです。
また、日本のスポーツについては「根性論を尊重する風土があり、質よりも量を重んじたりします。走り込みをして、筋トレをして、柔道をする。これ、やりすぎです。筋トレの基本として、筋肉に刺激を与えてから48時間休憩しないと筋肉は強くならない」とウィルソン氏。筋トレのコンセプトは、怪我のしにくい身体を作ることだといいます。左右の筋肉をバランスよく作ることが大切で、それが怪我の予防にもなるそうです。
特に重要なのがRICEで、Rest(休憩する)、Icing(冷やす)、Compression(圧迫する)、Elevation(心臓より高く挙げる)を心がけるといいとのこと。練習や試合の前には柔軟体操を徹底し、終わったら、関節、肩とヒジを冷やす、これだけでも怪我の予防になるそうです。
現在、72歳のウィルソン氏は柔道を週に2回行い、試合にも出ています。それができるのも、日々の適切な運動と規則正しい食生活を実践しているからこそといえそうです。
KIRIN naturalsのご紹介キリンビバリッジバリューベンダー株式会社
キリンビバレッジ
バリューベンダー
株式会社
松原 庸治 氏・善田 英樹 氏
最後に、いつもITSLにオフィシャルドリンクを提供していただいているキリンビバリッジバリューベンダー株式会社より、KIRIN naturalsの紹介がありました。
KIRIN naturalsとは、野菜と果物をブレンドしたスムージーがいつでも利用できる、健康を意識した福利厚生サービスのことで、スムージーのデリバリーと健康セミナーがセットになっています。その特徴として、「気軽に誰でも利用できる」「人が集う場所となる」「ヘルスリテラシーが高まる」「生産性が向上する」といったことがあり、導入した企業では他部署間で朝のスムージー仲間ができて交流が図れるなど、健康経営に一役買っていることが紹介されました。
総括
本フォーラムを通して、健康経営に関心のある企業が急激に増加しつつあるとともに、健康経営は着実に経営戦略の柱となってきていると実感しました。
社員に栄養バランスのとれた食事を提供すること、スポーツをする場を与えることなど、「食とスポーツ」が健康経営のキーファクターとして考えられていることは事実です。
今後、企業の課題として、日頃運動していない人にスポーツを実践していただく場をどう創るかが重要であるということもこのフォーラムの中で提言されましたが、これは同時にITSLの社内認知度を上げていくための課題でもあります。
社員全員が健康への意識を強く持つことについて、まだまだ欧米に比べ意識が薄い日本においては、労働生産性が高まり、働き方改革が進めば、自ずと道は拓かれるはずです。
ITSL 事務局長
産商アドマーケテイング株式会社
代表取締役社長 安部 智子