第3回 ITSL INNOVATION FORUM2019/12/12更新
第3回 ITSL INNOVATION FORUM
従業員エンゲージメントは何によってもたらされるか
~ITSLへの参加意義をあらためて考える~
あいさつ IT SPORTS LEAGUE理事長 株式会社富士通エフサス 砂原 佳幸社員エンゲージメントは大きな課題
ITSL理事長
株式会社富士通エフサス 取締役
砂原 佳幸 氏
2019年11月20日、第3回 ITSLイノベーションフォーラムが横浜・富士通エフサス みなとみらいInnovation & Future Centerにて開催されました。
第3回目となる本フォーラムでは『従業員エンゲージメントは何によってもたらされるか~ITSLへの参加意義をあらためて考える~』というテーマのもと、IT SPORTS LEAGUE (以下、ITSL)参加企業をはじめとする多数の皆様にご参加いただきました。
開会に先立ち、IT SPORTS LEAGUE理事長で、株式会社富士通エフサス取締役の砂原佳幸氏から「従業員エンゲージメントについては、弊社の人事部門としても大きな課題として考え、ミドルマネジャーを可視化することから取り組んでいるところです。本日はITSLに参加されている2社様からの事業報告、専門家の方からのお話をいただけるということで楽しみにしております。また、このフォーラムで得られた知識と情報が皆様方の会社に生かされればうれしく思います」と挨拶がありました。
引き続き、本フォーラムの会場である、『みなとみらいInnovation & Future Center』の施設紹介があり、続いてITSL参加企業2社による『従業員エンゲージメントとスポーツ活動の意義』に関するケーススタディの紹介、株式会社ファーストプレイス取締役・重松健司氏の『従業員エンゲージメントは何によってもたらされるか』と題した講演、ITSLにドリンクを提供してくれているキリンビバリッジ株式会社から、免疫力を高めるKIRINプラズマ乳酸菌飲料iMUSE(イミューズ)の紹介がありました。
富士通エフサス 桶谷 良介施設のご紹介
富士通エフサス
みなとみらいInnovation & Future Center
センター長
桶谷 良介 氏
桶谷良介氏からは「本日の会場となっている、みなとみらいInnovation & Future Centerは、500坪あるフロアの9階と10階を使い、ワークショップやイベントの開催、研修センターの活用などが行われている」との紹介がありました。
また、施設は社内だけでなく、社外とのイノベーションを視野に入れた活動、横浜市との連携によるビジネスの醸成、ベンチャー企業の支援などと幅広く施設を活用しているとのこと。
「オープンな場として皆様方にも足を運んでいただきたい」との言葉がありました。
ケーススタディ① アイエックス・ナレッジ株式会社 高橋 秀典ITSLの参加意義とは何か?
アイエックス・ナレッジ
株式会社
経営管理部 広報グループ
高橋 秀典 氏
アイエックス・ナレッジ株式会社とは、第1回の軟式野球大会から付き合いが始まり、現在は野球、サッカー、テニス、バスケットがITSLに参加しています。
高橋秀典氏は「クラブ活動の効果として、従業員エンゲージメントの土台となるコミュニケーションの促進が挙げられます。当社は『人間力向上』も目標に掲げており、クラブ活動を通してそれを『体験できる場』になっていると思う」と報告。
続けて、「『従業員エンゲージメント』とは『従業員1人ひとりが企業の掲げる戦略を適切に理解し、自発的に自分の力を発揮する貢献意欲のこと』をいうが、この文面の『従業員』を『クラブ』に置き換えると、エンゲージメントがないとクラブ活動は継続できないのではないかと思われる」と、従業員エンゲージメントとクラブ活動との関係について強調しました。
その効果として、たとえば、クラブを始める前に「どういう目標や戦略を持ってクラブ運営をしていくか」を話し合い、それをメンバー全員に周知徹底すれば、組織内で「勝利を優先すべきだ」とか「多くのメンバーを出場させるべきだ」といった意見の対立も起きないとのこと。
ITSLに参加する意義としては「クラブ活動を継続しやすい」という点を指摘。「自分たちだけでやっていると、年々、盛り上がりに欠け、気がつくと休部状態ということもあります。
しかし、ITSLに参加していると、事務局の方がグランドや対戦チームを調整してくれ、Webやベースボールマガジンなどのメディアへの掲載、電光掲示板やアナウンスも準備してくれます。また、スコアラーが個々の選手の記録をつけてくれ、チーム以外の個人表彰もあるなど、メンバーのモチベーションを高めている」と強調し、ITSLに参加することのメリットを報告しました
ケーススタディ② 日鉄ソリューションズ株式会社 松本 浩ITSLに参加すると、たくさんのメリットがある
日鉄ソリューションズ
株式会社
ITインフラソリューション
事業本部
松本 浩 氏
日本製鉄グループは企業スポーツが盛んで、野球、ラグビー、バレーボール、いずれのクラブからも有名な選手を輩出。サッカーではJリーグ鹿島アントラーズのオーナーでしたが、日本製鉄はアマチュア主義なのでプロスポーツにはお金を出さないということもあり売却が決まっている。
「私が所属するテニス同好会は、社員の親睦と健康づくりを目的にしています。部員数は約100名。うち30名ほどが中心的に活動しています。男子は実業団が2つありますが、女子は結婚や子育てなどで継続的な活動ができないため、実業団の登録はしていない」と報告。
ITSLの参加意義としては「大会が手作り運営ということで、『参加者のアイデアや意見をよく聞いてもらえる』『勝ち負けより親睦を重視している』『親睦重視だが、試合の緊張感もある』『実業団より試合数が多い』『チーム表彰だけでなく個人表彰もある』『プロコーチのレッスンがある』『実業団選手以外でも試合に参加しやすい』『世代や実力に関わらず参加できる』『女子も男子に混じって試合ができる』等々といったことが挙げられます。また、IT業界同士なので、親近感もあり、楽しく活動できている」と語り、ケーススタディの報告を終了しました。
質疑応答
質問:アイエックス・ナレッジさんは4つのクラブでITSLに参加していますが、そんなにたくさんのクラブが参加できるポイントは何でしょうか?
回答:弊社はサッカーが強くて、私が所属する野球は弱く人数も少ないのですが、そこは工夫してやっています。また、4つあるクラブ同士でコミュニケーションが発生するので、単独でやっているよりは重層的な関わりができると思います。そこがITSLに参加しているメリットといえると思います。
講演:従業員エンゲージメントは何によってもたらされるか株式会社ファーストプレイス取締役 重松 健司
株式会社
ファーストプレイス
取締役
重松 健司 氏
多くの企業のファイナンシャルプランニングや人材育成研修、コンサルティング、研修プログラム開発などを手がけている、株式会社ファーストプレイス取締役・重松健司氏から『従業員エンゲージメントは何によってもたらされるか』と題した講演を行っていただきました。
まず、コンサルティングの現場で感じる会社施策の課題について報告がありました。
それによると「会社で何らかの施策を行うと、成長という目的のための施策でも、施策によって浮き上がる人もいれば、逆に沈んでしまう人もいる。このは、優秀な上位が2割、下位が2割いるという2:6:2の原則。そして、変革を行うと、導入の時点で一度パフォーマンスが下がり、あるときから効果が発揮されて目標に向かうとされています。ところが、なかにはパフォーマンスが沈みすぎて浮上しないこともある」といいます。
なぜ、そのようなことが起きるのかというと、Voratility(変動性)、Uncertainly(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(不透明性)の頭文字を取った『VUCAの時代』がキーワードになってくるそうです。要するに、答が何かわからない、答が1つではなく、従来の手法では効果がないことを意味しています。ある施策によって反応する人もいれば、そうでない人もいる。つまり、『全体的に万遍なく効果が出る施策というのはむずかしい』というのがVUCAの時代の特徴だといいます。
この時代のアプローチ方法の2大潮流として、重松氏は「問題解決型のアプローチとポジティブアプローチがある」と指摘。ポジティブアプローチは「強みや価値を発見し、最高の可能性を想像し、どうありたいかを共有して意味を明確化し、未来に向けて踏み出す一歩と覚悟を生み出すものですが、企業現場では「そんなに楽観的でいいのか」という意見もあると指摘しました。
また、「分析的思考」と「システム思考」という考え方もあり、たとえば、「製品の専門知識が不足している」という場合、前者では、製品ごとにどういった専門知識が不足しているのかを分析しますが、後者では、学習をサポートするしくみ、知識を活用する機会、新しい知識が更新されるスピードなどの相互関連をとらえていきます。現在では、システム思考が主流になってきていますが、これには「成長の限界」があり、制限条件により成長が減速してしまうという側面もあるそうです。
他にも路線に違いがあり、「すぐに成果ができる施策を」と「じっくりと根本的対策を」という2つの考え方を紹介。多くの会社は根本的対策が必要だと認識しつつも、実際にはすぐに効果ができる施策を行っているのが実状だと報告しました。
従業員エンゲージメントに関するヒントとして、『成功の循環』について紹介。これは「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」の4つが循環するというもので、挨拶や声かけなどの「関係の質」が定着すると、関心の広がりや共同思考などの「思考の質」が高まり、それが「行動の質」の変化につながり、最終的に「結果の質」が高まるという考え方です。
最後に重松氏は「『成功の循環』を社内で行うのに利用できるツールとしてOcapiという社員向けアンケートがあります。これを活用すれば、従業員エンゲージメントも高まると思いますので、関心のある企業様は試してみるといいのではないでしょうか」と紹介して講演を締めくくりました。
免疫力を高めるKIRINプラズマ乳酸菌飲料iMUSE(イミューズ)のご紹介キリンビバリッジ株式会社 広域法人営業部 課長 山田 嘉典
キリンビバリッジ株式会社
広域法人営業部課長
山田 嘉典 氏
いつもITSLにオフィシャルドリンクを提供していただいているキリンビバリッジ株式会社より『KIRINプラズマ乳酸菌飲料iMUSE』について紹介がありました。
KIRINプラズマ乳酸菌飲料iMUSEが開発された背景には、「乳酸菌による免疫力のアップ」というキリングループの長期ビジョンの目標があったそうです。
免疫とは「細菌やウイルス、花粉などの異物を体内から排除するシステム」のこと。この免疫がうまく機能しないと、風邪を引いたり、花粉症になったり、インフルエンザに罹ったりします。
体内に侵入する異物をやっつけるのが免疫細胞ですが、ふだんは眠っています。異物が侵入したとき免疫細胞に指令を送るのが、ノーベル生理学賞を受賞したスタイマン教授によって2011年に発見された「プラズマサイトイド樹状細胞」。キリングループでは、2年前にこの免疫細胞の司令塔である「プラズマサイトイド樹状細胞」そのものを活性化する乳酸菌を発見。これがキリンのプラズマ乳酸菌です。
山田氏によると、「キリングループの実証実験として200人を対象にKIRINプラズマ乳酸菌飲料iMUSEを飲んでもらったところ、インフルエンザの罹患率が少なかったという結果が報告されています。また、岩手県の小学校でもプラズマ乳酸菌ヨーグルトを週3回、摂ってもらった結果、インフルエンザの欠席者が低下したという報告もある」とのこと。
KIRINプラズマ乳酸菌飲料iMUSEは、激しい運動の疲労軽減などにも役立つ乳酸菌飲料として、多くのスポーツ愛好家に愛飲されているとの紹介がありました。
総括
実業団は競争のなかでしのぎを削りながらトップに上り詰めていくのが喜びかと思いますが、ITSLは非常にコンパクトなパッケージのなかに、従業員エンゲージメントを高めるパフォーマンスのよさを盛り込み、それを売りにしています。参加型でワクワク感を作り出し、なおかつ、プロが使う球場を使用できるとか、メディアの掲載があるとか、個人成績を厳密に記録して、それが表彰の対象になるとか、そういうパッケージを進化させることを考えております。今後も皆様のアイデアをどんどん取り入れて進化させていこうと思っております。
ITSL 事務局長
産商アドマーケテイング株式会社
代表取締役社長 安部 智子